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心の生け簀

自分のスキを好きにするためになんかするブログ

私ここに在らず。

 

私は生まれながらに己の中に獣を飼っている。

とはいえ、はじめ私と獣は一つだった。ともに生き、共に成長する。
獣の意思は私の意志で、私の意志は獣の意志だった。
しかし、とある時期を過ぎると、私は『私』と『獣』に分けられた。
正しくは『獣』を切り離したというべきか。
『獣』はとても我が侭で、傲慢で、とても自由なのだから。
『私』は『獣』を切り離し、
『私』は『獣』を閉じ込めた。
私の奥の底の底。
誰にも見えない不可視の檻。
『私』と『獣』だけの檻。
私という名前の牢獄。
閉じ込められた『獣』は常に、私を内から傷つける。
それは『獣』を閉じ込めた『私』に対する反抗なのか。
それとも、私を通して見える『外』に手を伸ばしただけなのか。
いずれにしても『獣』の爪は『外』には届かず私に阻まれ、私の内に傷を増やす。
『私』は『獣』と分かたれて『獣』の言葉を忘れてしまい、
『獣』は『私』と分かたれて『私』に言葉は届かない。
『獣』がなんらかの意図を持ち、傷をつけていたのだとしても
『私』は私の内に刻まれた傷の一つと認識をする。

もしも『私』の爪が『獣』の代わりに『外』を引っかくことが出来たなら
もう一度一つになれるのだろうか。